コルテオ−シルク・ドゥ・ソレイユ

イタリア語で「行列」を意味するこのショーは、ひとりのクラウンを中心に繰り広げられる祝祭のパレード。それは楽しく陽気でありながらも、どこか儚く哀愁漂う世界。激しく情熱的な空気に包まれたかと思うと、次の瞬間静寂が訪れる。

人生の喜びと悲しみ、躍動と静寂、大きしものと小さきもの、ダイナミックさと繊細さ、様々な対比の中に垣間見られる色とりどりの世界。愛すべきものたちに囲まれたクラウンを中心に繰り広げられる数々のドラマが、観る人の心に語りかける。 「人生は結構素敵だ」


シルク・ドゥ・ソレイユはただのサーカスにあらず。「演劇」を作る全ての要素を極限まで磨き上げたらこういう形になるんじゃないかしら。しかも両立しづらいアートとエンターテイメントを見事に共存させている。サーカスなのでパッと見は物凄くエンターテイメントなんだけど、アートディレクションが細部にまで行き届き、唯一無二の確固とした世界観を築いていて芸術性はかなり高いのね。


僕は大学でフィジカルシアターを卒業研究にしていたんですけど、フィジカルを極限まで鍛え上げると、限界突破した人間の肉体そのものがアートでありエンターテイメントであり、シアターたり得ると思います。そういう舞台でした。

世界観も、時に美しく、時に華やかで、それでいてノスタルジックな空気。きっとその芸術性に驚き、想像を超えたパフォーマンスに息をのみ、その世界にどこか切なく胸を締めつけられることでしょう。東京公演は終わってしまったけど、まだ福岡・仙台公演もあるし、新しい作品があなたの住む街の近くへ寄った時はぜひ。


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