恋の花

今日は彼女と花火をしました。
もう秋分だし、夏の終わりに花火を。花火は久しぶりで最後にやったのは学生時代かな。ごはんを食べてから静かなところに行って、小声で話しながら散る火花を眺めてました。定番の線香花火もやりました。どっちが長くもつか競争、そういうのは子供の時と同じ。いくつになっても。


花火に誘おうと思った時から、もうその日に告白しようと思ってました。前回では臆病な僕が出て言えずに終わった気持ちを、今回こそちゃんと言う。そのためにどうしても彼女に会いたかった。面と向かって伝えたかった。花火はきっかけとして、ある意味口実のようなものとして、むしろ自分を追い込む材料としてのものでした。


すべての花火が散り終わって、車で彼女を送る、前回と同じ光景。最初に会話は弾むものの彼女の家が近づくにつれて無口になる僕と彼女、それも同じパターン。極限まで抑え込んで飽和状態になった2人の気持ちが沈黙となって暗い車内に溢れ出ている感覚。精神的に飲み込まれそうになるけれど、この間の僕とは違うね!強くそう思いました。応援してくれてる人たちの顔が浮かんだりして(会ったことのない人の顔も確かに浮かんだ)勇気も出た。これから自分の気持ちを伝えられるんだという嬉しさも感じた。


彼女が降りる場所に着いたので車を路肩に寄せて、名前を呼び、自分の気持ちをそのまま伝えました。案外スラスラと出てきてちょっとびっくり。もちろん照れもあったのでたどたどしかったけれど、言葉だけは素直に明確に飛び出た。


告白し終わると、彼女は小さく「はい」と言って、恥ずかしいねと照れ笑いしたあと、「嬉しいです」と言ってまた笑った。僕も笑った。よろしくね、と手を差し出して握手して、それが初めて手をつないだ瞬間になりました。



すでに日付は変わって、9月23日。まずはここからが僕と彼女のスタートです。