AFTER

ここ数日仕事とはてなリング後藤真希Ring』の管理で少しバタバタしてしまって、肝心のごっちん新曲についてはほとんど何も書いていませんでした。ファンとして自分で自分を許せないわッ。


ということで、先日(と思ったら5月17日で2週間前でした・・・)後藤真希さんの新曲『ガラスのパンプス』PVを観る前の心境を記しておきましたが、今日はその鑑賞後の感想をば。AMラジオの音源でのみしか聴いていない新曲をPVで見ると自分の中での印象がどう変化するか人体実験してみました。


・・・・・・・・・・・・・すごい。

こりゃいいPVですね。何がって、「ごっちん」が。


いいPVっていうのはさ、どんな形であれその人の魅力がたくさん引き出せているPVほどいいPVだと僕は思ってます。ぶっちゃけてしまうと、お金がかかってないとかあまり関係ないんですよ。チープなカキワリのセットだろうがCGを多用してようが、ダメなものはダメだし良いものは良い。要は演出がそのアーティストの良さを引き出せているか。もっと詳しく言うと、「その楽曲を歌うその人の良さ」を引き出せているか、そこがポイントなわけです。


ハロー系のPVは駄作と呼ばれるものも多くて、たいていは「金かけてない」とか批判されてますが、結局その理由は「アーティスト+楽曲」で生み出される魅力を無視して製作されたPVが多いからだと思う。「このアーティストが」+「この曲を歌う」=「このPVになる」という単純な公式を成立させられないからです。

アイドルというジャンル上仕方ないのかもしれませんが、最近は本当にアーティストのビジュアルに頼ったPVが多い気がしますね。もうちょいアーティスティックな雰囲気を醸し出してみてもいいと思うんですけど。


普段からそんな観点でPVを観てますが、今回。

これは後藤真希の魅力をじゅうぶんに引き出したPVと言えますね。PVの世界観は大して珍しいものでもないし、セットにそこまでお金がかかってるとも思えない。じゃあどこがポイントかと言うと、観ている人の意識が「後藤真希の歌とダンス」に集中するように出来ているところです。


バックダンサーを4人(男女2人ずつ)配置することによって中心のごっちんは引き立つ。バックダンサーを置くということは「ハローの中では後藤真希にしか成し得ない魅力だ」と僕は思ったんですよね。ごっちんくらいのダンス力がないとバックダンサーの存在はけっこう辛いはず。邪魔になります。でもアーティストがしっかり踊れればバックダンサーは良い引き立て役としての効果があるんです。今回はまさにそれ。そして衣装もダンサーは黒、ごっちんは白。この対比もかなり効果的。

このようにまずごっちんの「ダンス」がクローズアップされるわけです。


そしてダンスする身体の躍動感の合間に時折挿入される歌う表情。動と静のコントラストをつけることによってこの楽曲に合わせたビートが生まれているように感じました。この表情がいい。芝居をしている時よりずっといい。やっぱりごっちんもナチュラルボーンシンガーなんだなと思っちゃいました。


巷で言われている「エロス」に関して。

まぁなんていうか、あの胸強調の新曲ジャケット写真を先に見せられてしまうといろいろと過敏になってしまうものですが(僕も安易なセクシー路線は嫌いだし)、PVの中では全く気になりませんでした。だってかっこいいじゃん、ごっちんさん。もちろん自分の胸をわしっとする振付はあるんですけど、あんだけカッコよくやってるんだからそれを「エロ」で片付けられないよ、俺は。


ごっちんは(他のハローメンバーもだけど)セルフプロデュース力がすごくあると思うんです。逆に言えば「周りから自分がどう見られているか常に気にしている」わけですけど。そんな彼女が今回のエロスで大人な雰囲気をやらされているとは到底思えない。胸を揉みしだいたりっていう振りだって「エロ」だと思ってやってないでしょ、あれは。そこは理解したうえのセルフプロデュースで堂々とやっているわけです。つまり「表現」している。


その表現というのは、アイドルファンの大多数を占める純情男子には「エロ」になってしまうかもしれませんが、それじゃあ見方が貧相すぎる。

例えば女性がその表現を見たら「カッコいい」になるかもしれない。「エロ」になってしまうのは男子がどうしても「純潔であれ」みたいな目線で見てしまうからで、実際はそんな下らないことは全く関係ないですよ。「表現者の表現」ですもん。逆に「エロ」という目で見ることのほうが表現者を貶めてることになっているかもしれません。



そんなことより後藤真希を見てくれよ、すっげえからさ!

このPVは確実に後藤真希の魅力の一面(大衆向けにいうとゴマキサイド)を描き出した作品だと言えます。

1人でも多くの人に見てほしい。