トライアングルエナジー


さて、先週購入した『後浦なつみコンサートツアー2005春 トライアングルエナジー』を観ました。それについて感想を書きたいと思います。


え?知らんがな。時期はずれとか遅いとかそんなん知らんわ!(笑)流れや空気なんてものは完全に黙殺し、過去のこともガンガン書いていく、そんな遅れてきたルーキーのサイトなんですここは!


まずは、このライブDVDを観た直後の率直な感想。「後浦なつみってすげぇ」「行っとけば良かった」です。もうね、すごいのよ3人が!


あの当時よく、「3人でやって薄くなった」とか「ソロコンが良かった」みたいな感想聞いた気がします。まぁソロコンサート出来るならそっちの方がいいのかもしれないけどね、それがこのコンサートの評価を下げるような現象はおかしいと言えばおかしい。そもそもソロコンサートと比較することが間違ってると思うんですよ、まったく別物っていうかね。


この3人でやるって時点で、もうその考えは捨てるが吉。サッカー観に行ったのに「一人でドリブル、シュートしてるとこ観たい」って言ってるようなもんです。もっと素直に一流プレイヤーの競演楽しもうよ、って。


そんな3人についての感想を少し詳しく書いてみます。


勢いよく掴みを決めるのはやはり『恋愛戦隊シツレンジャー』。この3人の物語はここから始まります。否応なしに盛り上がるイントロ。これから何が起こるかワクワクさせてくれる3人の歌声。


  • Do it! Now

いきなりモーニング娘。の曲です。思い返せば後藤真希卒業の曲でありまして、当時安倍なつみ後藤真希がいい意味で火花を散らしていたのが印象的な曲です。そこに松浦亜弥が入るわけです。違和感がないわけがない。

でもそんなことは彼女の歌唱がすぐに吹き飛ばしてくれました。上手いんだ、これが!しかも完璧にモノにして表現してる。これが松浦亜弥の実力。そのブレの無い、凛とした姿に感動して少し涙が出た。本当にすごい人です。


ソロのトップバッターは後藤真希。『原色~』で煽る煽る。ただ客を煽るだけでなく、その挑戦的なまでに突き抜けた歌唱でも煽っています。トップバッターを任せられるのはこの人以外にいないんじゃないかと思わせるようなパワー。


続く『愛のバカやろう』は今聴ける音源では一番新しいものです。少し今視点からの物言いになりますが、だいたい僕が最もよく聴いてる『愛のバカやろう』はソロデビューの『愛のバカやろう』でありまして、このライブでこの曲を歌う彼女の声はそれはそれは違います。

ソロデビューのも初々しくて好きなんですが、やっぱり今の声が圧倒的にすごい。伝わってくる感じが違います。

で、「今の声」とか言ってるけど厳密に言えばこないだの春の話なので、この後、秋のコンサートツアーを経てさらに進化したものがプレミアムベストに収録されるわけです。もうすごい楽しみ。


  • さよなら「友達にはなりたくないの」後藤真希

定番2曲を経て盛り上げたと思ったら、次はこの時の新曲『さよなら「友達にはなりたくないの」』をしっとりと歌い上げます。切ない!一気に(いい意味で)熱を冷まします。熱くなったと思ったらまた違う温度で場を支配します。

新曲だからか、つまらんヲタの掛け声もなく快適です。


僕としてはずっと褒めちぎって行きたいんですが、そうもいかない部分が来ました。

ここにいないグループの曲を持ってきたらダメです。これははっきり言っとく。ダメです、ダメなんです!

この『香水』という曲は、ご存じメロン記念日の曲。そしてこの場所に彼女らはいない。この3人で歌う理由が見当たらない。それだけでもあれなんですが、当のメロン記念日の4人すらコンサートもさせてもらえずこの曲を歌ってないのに、ここで確たる理由もなく曲だけ持って来て利用は筋が通ってません。こういうのどうにかなんねーかな!?ファンでどうにか出来ないものか。

演者の2人はそれはもう最高なんです。2人ともまったく色の違うボーカルなんですが、それが見事に溶け合って気持ちいい。例えるなら、暖かい太陽の光と心地よい風が交互にやって来る感じでしょうか。ラップ部分もかっこいいし、最後のまっつーの「キスはしないわ 些細な抵抗です ここじゃ嫌…」も表現力がすごい。

2人が最高のパフォーマンスをしてるからこそ言いたい。ダメ!


ダメ!

しかもまっつーが歌ってれば大丈夫なのに歌ってないのが意味わからない。

ただ何度も言うけど、演者2人は最高のパフォーマンスです。

安倍の歌表現。この人は全身で表現してる。この空気感、オーラがすごい。

後藤のダンス。キレすぎ。プロのダンサーを超えるくらいのダンス。ロックとか習ってるんじゃないのか、これ。ついでに歌声も突き抜けてます。


もうね、すっごい上手いのよ。たぶんそこらへんの歌手じゃ敵わないと思う。彼女は自分のこと「歌手」とハッキリ言い切るけれど、まさに歌手。

な、一言いいかい?「なぜソロコンサートやらない?」


今の視点からこの曲を聴いてみて、これはアリだと思いました。

バラードとか大人っぽい曲が増えてきた彼女ですけど、こういう軽めのロックっぽい曲もいいかもしれない。だんだん昔の曲は歌いにくくなっていくだろうし。


と思ってたんですけど、自分の底の浅さを感じました。このかわいらしい曲を彼女はこう料理して歌うかと。歌詞中の「あなた」の対象を観客に絞ることですごいボルテージが上がる曲に変化しました。カッコよく、かつおどけた感じで歌を観客へと向けていく歌唱。異様に上手い。


元娘。の2人による『モーニングコーヒー』。この2人が3年、いい意味でライバル関係を築き培ってきた呼吸はそう簡単に失われるものではない。それは身体に染みついたもの。むしろソロでお互い吸収したものがあるせいか、娘。時代より心地よいものとなって届いてきます。コーラスや掛け合いにそれが表れています。


だーかーらーダメなんですって。2人の最高のボーカルを堪能できて、特にごっちんの「夕暮れ時に~大好きよ」の部分の突き抜け方はすごい。しかもあやごまが階段に座って肩を寄せ合いながら歌ってるなんてうああ!あやごまあやごまーー!

でもね、やっぱダメ。2人が最高の歌を歌ってるだけに。やっぱり歌というのはもらったほうもあげたほうも大切にしていかなきゃ。一旦カントリー娘。にあげたなら、それを大事にしなきゃでしょ。


なっちのこの辺の曲は聴いていないので細かいことは言えないんですが・・・。

この人本当に「場を支配するオーラ」があります。天性の才能だと思います。それはずるいとも言えるほど!

あと『夢ならば』でヲタ声が無いのが快適。


僕が初めて観た娘。のコンサートの映像はBSでやっていた『モーニング娘。コンサート・ツアー 2002 春 “LOVE IS ALIVE!”』。そこで歌われていたのを見て当時の僕は「なんだ、なっちソロじゃん」て思った懐かしい思い出があります。

当然今聴くと段違いになってました。歌唱も表現力もそれを伝える力も格段に。


あやごまー!最近あやごま来るとなす術が無い(笑)

で、この時のあやごまは超セクシー。もちろんボディも相当なものなんですが、本当にセクシーなのは歌。その歌唱がすごいセクシーで、つんくさんが本当に表現したい溢れ出るようなセクシーはこういうことなんじゃないかと。ハモリも気持ちよくて恍惚となります。あやごまあやごま(←狂った)


  • LOVE LIKE CRAZY

来たよ、世界一熱い曲が!あちー!ライブバージョンで聴けて本当に感激です。

サビのコーラスはまっつーだったのか!深い。

こういうラップぽい曲をライブでやるのも新鮮ですね。


  • 手を握って歩きたい
  • Yeah!めっちゃホリディ
  • 恋のテレフォンGOAL

クライマックスは3人それぞれの一体感が出る曲を3人で。

普段は1人でやっている振りを3人でやっている様が見れるのも楽しいですね。しかもメジャー級の3人ですよ。特にピロリン(笑)僕聴いたことなかったんだけどすげー曲だな、これ!


  • LOVEマシーン

最後の曲は『LOVEマシーン』。みんなで歌える歌代表。

この曲でデビューしたごっちんと

この曲で2回目のデビューをしたなっちと

この曲の応募券がきっかけでデビューしたあやや。

思えば、この3人が並んでこの舞台上でこの曲歌ってるのって運命的。

ニッポンの未来は世界がうらやむよ、この3人がいるから!


  • でっかい宇宙に愛がある

アンコールはすべてを包み込む1曲で。

この曲に何度救われたことか。とにかくすごいいい歌。娘。が歌ってもいいんだけど、この3人でも秀逸。またこの曲に、この3人に、励まされました。


さて。

さらっと個人的な感想を並べ立てて参りましたが、言いたいことは「この3人で作ったトライアングルエナジーを感じろ」ということですかね。ソロでコンサートとか思うだろうけど、その前にちょっと素直に観てみろよ、と。


彼女ら、どんどんどんどん塗り替えていくわけです、その歌で。安倍なつみ色に、後藤真希色に、松浦亜弥色に。そしてそれらはほとんど混ざることの無い個性の強い3色ですが、時折溶け合うことによって不思議な虹のようなハーモニーも奏で始めます。


これがこのコンサートの醍醐味。

後浦なつみの『トライアングルエナジー』。


未見の人は是非。