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キスまでの距離

前回までのあらすじ。
彼女の家(ひとり暮らし)に初めて行くことになったハロヲタである俺。ヲタバレする機会を窺いつつ、今回のガサ入れで彼女が太一くんファンであった痕跡を見つけようと画策する。ていうかそれ以前に女の子の家にあがり込むのが久しぶり過ぎて緊張しまくり・・・。


土曜日、彼女の家に訪れる前に髪を切ってパーマかけに行きました。うん、身だしなみは大事だよね、それだけでヲタバレした時に天国と地獄を分けるからね!ちなみに自分のイメージ的には嵐の櫻井くんなんですけどすいません100ぺん死んできますから許してください。


まぁそれは置いといて、前髪を切りすぎてしまって。眉毛のチョイ上くらいまで切ってもらったらいい年したおっさんのクセして幼い感じになっちゃったのよね。顔がよく見えるようになったのはよかったんだけれど、彼女は「なんだか慣れない〜」と視線を合わせてくれません。ここで自信に満ち溢れたイケメンズは「ん?顔がよく見えるようになったから目を合わせるのが気恥ずかしいのかな?」などと思うでしょうが、僕のようなヲタクは基本的に被害妄想の塊。たちまち彼女に「彼ってこんなヲタクっぽい顔してたんだ・・・」と思われているんじゃあないかと気が気でなりません。まだ彼女の家の玄関にさえ到達していないのにさっそく鬱です。


それから夕飯の買い物をして、いよいよ彼女のテリトリーへ。ドキドキしながら入っていくと、意外なほどシンプルな空間。テレビ、ベッド、ローテーブル、1人掛けのソファ、以上。インテリアは白基調で清潔感が漂っていました。唯一女の子らしいのはピンクのハートのクッションがあったことくらい。とにかく物が少ない。そういえば彼女は機械がニガテで、家電は冷蔵庫と炊飯器とテレビくらいでパソコンもDVDプレーヤーも持っていません。CDプレーヤーすら見当たらなかった。当然CDラックや本棚も見当たらないから、太一くんの「た」の字もない。空間的には洗練されていて居心地抜群なんだけれど、趣味嗜好を示す手がかりがほぼ皆無なのでヲタクの僕はタジタジになる始末。


ということでミッションは出鼻で挫かれ、同時にヲタバレするチャンスも絶たれました。もう墓場まで持っていこうか。ばれるわけないさ、大丈夫!!!!!


あと、ガサ入れが裏ミッションとするとメインのミッションは「せっかく彼女の家で2人きりなんだからワンランク上のスキンシップを」ということ。今の僕のランクは手繋鬼なのでキス魔になれってことですよ。ここでもまたチキンな僕は二の足を踏みまくり。いい年した大人の男がいい加減イニシアチブとれよ!でもいくつになっても僕は慣れないのよ。いつも「帰り際」という追い込まれた状況にならないと実行に移せずヘタレっぷり全開。


結局玄関で靴を履いて戸を開ける寸前になって、というギリギリで。直後、戸を開けようとしたらチェーンが掛かっていてガゴン!と大きな音をたて大恥をかいた24時過ぎの28歳男子。しかもアパートの階段でコケるという漫画的なオマケもついたのでした。ありえない、マジありえない。しにたい。どうせならヲタクがバレる前に!